週刊文春12月10日号で「週刊文春 ミステリーベスト10」が発表されましたね。
冬の休暇に推理小説を読もうとしているあなたに、推理小説で2020年に賞を受賞した作品を紹介します!
本を選ぶときの参考にしていただけると嬉しいです!
そうそう、”推理小説”と言っても範囲が広いですよね。”名探偵・明智小五郎と怪人・二十面”というものばかりではないので、まず分類してみました。
本の帯に書いてあるもので分けてみましたが、同じ本に違う言葉が書かれていることもあり、また明日にでも新しい分野として作品が世に現れるかもしれません。
未だ読んだことのない分野の作品に出会えるかもしれないのは読書の楽しみでもありますね!
また、先程の明智小五郎やシャーロック・ホームズは映画やドラマでもおなじみで、推理小説は映像化されたものも多いので、映画等で見たものの原作を読むと違いが発見できるかもしれません!
推理小説の分類
本格ミステリ | 密室殺人など、解決の論理性が必要 |
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ハードボイルド | 暴力的・反道徳的な内容を客観的に描写、行動的な探偵登場 |
コージー・ミステリ | 素人探偵とかアガサ・クリスティのミス・マーブルシリーズなど |
安楽椅子探偵 | 探偵が現場に赴くことなく、与えられた情報のみで事件を解決 |
犯罪者視点 | 犯罪者の側からの事件の推移 |
法廷推理小説 | 法廷が舞台のもの |
警察小説 | 警察官が主人公。科学捜査を主題としたものでは鑑識官や法医学者が推理するものも含まれる。 |
スパイ小説 | 諜報 |
時代ミステリ | お奉行もの、捕物帖 |
SFファンタジー・オカルト | 空想の中で起きるできごと |
パズル・ミステリ | 暗号やパズルの謎解き |
社会派 | 社会性のある題材、代表的な作家としては松本清張 |
青春ミステリ | 主人公が思春期・青年期、学校を舞台として人物の成長が描かれる |
トラベル・ミステリ | 有名な観光地などが舞台、観光に関わる作品 |
バカミス | バカバカしい、とか結末を知ってそんなバカなと驚くようなミステリー |
イヤミス | 読むと嫌な気分になる |
江戸川乱歩の「少年探偵シリーズ」、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」、アーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズの事件簿」など名探偵が登場するものは、本格ミステリ。
法廷推理小説としては、和久峻三の「赤かぶ検事奮戦記」シリーズなど。
松本清張の「点と線」は、社会派ミステリとも、トラベル・ミステリとも呼ばれていますね。
”青春ミステリ”の代表作としては、赤川次郎「セーラー服と機関銃」、栗本薫「ぼくらの時代」、小峰元「アルキメデスは手を汚さない」など。中学高校生のころ夢中になって読んだものでした。
「名探偵コナン」は小学生のコナン君が主人公ですが、青春ミステリということになるのでしょうか? 推理もさることながら、主人公の成長していくさまを体験するような感じは青春小説とかわりません。
湊かなえ「告白」は、イヤミスと言われることもありますが、早く読み終わりたくて読んでしまう小説でした。
推理小説で2020年に賞を受賞した作品
推理作家協会賞
長編および連作短編集部門:「スワン」呉勝浩(ご・かつひろ)
短編部門:「夫の骨」矢樹純(やぎ・じゅん)
江戸川乱歩賞
「わたしが消える」佐野広実(さの・ひろみ)
本格ミステリ大賞
「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」相沢沙呼(講談社)
大藪春彦賞(後援:徳間書店)
作家・大藪春彦氏の業績を記念し、その物語世界を引き継ぐ新進気鋭の作家および作品に送られる賞
「犬」赤松利市(徳間書店・2019年9月刊)
宝島社「このミステリーがすごい!」
新人が応募する賞ですが、「チームバチスタの栄光」シリーズの海堂尊氏、「さよならドビッシー」の中山七里氏など現在活躍中の多くの作家がこの賞を受賞されていますね。
書籍化は2021年1月から ということで年末年始休暇には、未だ出版されていませんが、今後が楽しみな作家さんたちです。
大賞:「元彼の遺言状」新川帆立(しんかわ・ほたて)
文庫グランプリ:「暗黒自治区」亀野仁(かめの・じん)
文庫グランプリ:「甘美なる作戦」平居紀一(ひらい・きいち)
週刊文春 ミステリーベスト10
アンケート回答者は全国の日本推理小説協会会員、ミステリー作家、文芸評論家、書店員、翻訳家、各大学ミステリー研究員など。
- 国内1位:辻真先「たかが殺人じゃないか」
- 2位:阿津川辰海「透明人間は密室に潜む」
- 3位:斜線堂有紀「楽園とは探偵の不在なり」
- 4位:五十嵐律人「法廷遊戯」
- 5位:芹沢央「汚れた手をそこで拭かない」
- 6位:奥泉光「死神の棋譜」
- 7位:綾辻行人「Another2001」
- 8位:大山誠一郎「ワトソン力」
- 9位:柚月裕子「暴虎の牙」
- 10位:櫻田智也「蝉かえる」
1・2・3位はほとんど差がありませんでした。
辻氏は88歳、阿津川氏は26歳、斜線堂氏は27歳ということも話題でしたね。
まとめ
今読みたい推理小説は決まりましたか?
推理小説に分類と、2020年に賞を受賞した本を紹介してきました。
毎年多くの小説が出版されていますね。店頭に並んでいる本だけでも相当な数ですが、もっと多くの本が出版されているそうです。
あなたが夢中になって読める本、心に残しておきたい本もあるはず。
探す旅に出ましょう!
文中、敬称は略しています。作家のみなさん、ごめんなさい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。