7月7日は七夕。笹の枝に願いごとを書いた短冊を飾ったことはありませんか?
街の中でも様々な願い事の短冊や飾りをつけた笹の枝を見かけますね。
七夕と書いて”たなばた”と読みます。ってご存知ない方いらっしゃらない。
七夕とは、織姫と牽牛が年に一度天の川を渡って会うことができる日と思っていますが、日本のほとんどの地域で梅雨の真っ只中で、たいてい雨が降っていますよね。
この話はちょっと変ではないか、と調べてみると。。。
7月7日にも、七夕にもいろいろな物語があることがわかりました。
多くの話が重なって現在のような形になったこと、地域によって七夕まつりが違っていること、これからお話していくことにします。
天の川を見たことがありますか?
星空を眺めて天の川を見つけることは難しいですね。都市から離れた標高の高い場所で、月明かりのない晴れた夜ならば、確認することができます。
同時に流れ星もみつかりやすいです。
そこで、ここには天の川があるはず というところを探してみることにしましょう。
織姫と牽牛が天の川をはさんでいる ということを利用すると、織姫星(ベガ:こと座の1等星)牽牛星(アルタイル:わし座の1等星)の間にあることになりますね。
ベガとアルタイルにデネブ(はくちょう座の1等星)を加えると夏の大三角。
夏の夜空に煌めく1等星、明るい星なので、都会の真ん中でも晴れていれば見つけることはできそうです。
国立天文台の計算によると、2021年7月7日午前1時、アルタイルは南60度、ベガは西70度で輝いているということでした。
天の川は南西から北東へ流れていることになります。
天の川とは
天の川の英語訳は、milky way.
milky wayは、ギリシャ神話の力持ちヘラクレスの物語からついた名前です。
全知全能の神ゼウスと人間アルクメーネーの間に子が産まれ、ゼウスは自分の正妻ヘラの乳を飲ませようとしました。しかし、嫉妬深いヘラは拒否。
ゼウスはヘラを眠らせて、ヘラクレスに乳を飲ませることに成功しますが、気づいたヘラがヘラクレスを払い除けて乳がこぼれてしまいます。そのこぼれた乳が天の川になったと神話は伝えます。
天の川が、いくつもの星の集まりであることを知るには、天体望遠鏡が必要でした。17世紀ガリレオ・ガリレイによって知らされます。
ギリシャ以外の地域では、天の川は河に例えらることが多かったようです。中国では”銀河””天河””天漢”、エジプトでは”天上のナイル”と記されていますね。
天の道とみる北欧の人達には、”麦の穂の道””鳥の道”と表現されています。
七夕
乞巧奠(きっこうでん)
現在の七夕に行われていることの由来の一つ。
中国で行われていた 詩歌や裁縫の上達を願って星に祈りをささげ、香を焚き歌を読み合うという行事です。
このことが遣唐使によって伝えられる以前から日本では、機で布を織り、税として収めたり、先祖の霊に捧げたりしていました。先祖の霊に捧げる時に神の宿る依代として笹竹を飾っていたそうです。
笹竹は、粽(ちまき)を包むのにも使われているように、食べ物を包んで腐りにくくなるため、魔除けや清めの意味に使われていました。
古来日本では、古代中国の陰陽五行説を由来とした暦で行事を行う風習がありました。
現在でも、人日(1月7日七草粥)、桃の節句(3月3日)、端午の節句(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽の節句(9月9日)と私達の暮らしの中に引き継がれていますね。
古くは、御霊の衣服を織り、棚に供え、けがれを祓う行事でした。
そこに中国から星祭と手芸や裁縫の上達を願う祭の風習が入ってきて、現在の笹竹に願い事を書いた短冊を結びつけて祈る行事へと変化していきました。
(引用:神社本庁)
乞巧奠(きっこうでん)が七夕に取り入れられたということになります。
七夕ロマンスのお話
伝説としてもいくつかの説がありました。
中国起源のものには、
織姫は機を織るのが上手な天帝の娘の一人。他の娘と共に天の川で水遊びをしているところに、牛飼いの牽牛がいて、お互い一目惚れで結婚してしまう。
牽牛との生活が楽しくて、機を織るのがおろそかになった織姫を天帝が怒り、天の川に落として1年に一度だけ会うことを許す。
天女が水遊びをしていたところ、若者に天衣(天地を自由に行き来できる衣)を奪われ、天に帰ることができなくなった。
天女と若者は結婚して、ひっそりと暮らしていたが、天女が帰ってこないことに激怒した天帝が天女を連れ戻す。
牛の助けを借りて若者は天上に行き、天女を見つけます。
ところが、その時大きな手によって、二人の間に線が引かれ、線から水が溢れ出し、川となってしまう。
日本にも、伝説はありました。
ある日、三人の娘を持つ男のところに大蛇が現れ「娘をよこさないと親子共々殺してしまう」と言います。
男が娘たちにその話をすると、親を殺させるわけにはいかない、と末の娘が大蛇のところへ行くと言います。
大蛇は実は”天稚彦(あめのわかひこ)”で、二人は結婚して幸せに暮らすことになります。
天稚彦がある日、「天に行く。三週間たっても帰ってこなかったら、西の京の外れに住んでいる女の人から一夜杓を受け取って天に来るように」と言って出かけます。
天稚彦が三週間たっても帰ってこないことから、西の京の外れに行き一夜杓を貰って天に向かいました。
どうにかこうにか天に登ることができ、二人は再会することができました。
実は天稚彦の父は鬼で、二人の結婚は許されず、娘に無理難題を突きつけますが、天稚彦から譲り受けた袖を振ると次々に解決していきます。
ついに娘を認めることになるのですが、父がその時持っていた瓜を投げつけると、瓜の割れたところから水が溢れ出し、天の川を作りました。
以後、天稚彦と娘は年に1度7月7日に会うことを許されたのです。
西洋にも伝説があります。
フィンランドには、仲の良い夫婦が亡くなった後、星になり、それでも近くにいたいと星屑を集めて橋ができ、遠くにいても行き来できるようになったという伝説。
ギリシャには、琴の演奏が上手な青年が妖精の少女に出会って恋をしたのですが、少女が死んで、生き返らせてもらえるように大王に頼みに行くも失敗し、結果琴座ができたという伝説。
星たちを見て、恋人たちを思うのは、地域を問わないようです。
七夕の日にち
古くからの行事は、旧暦のほうが季節の移ろいにはぴったりくることが多いですね。
7日というと、月の満ち欠けでは上弦の月。
7月というと、秋。
青森のねぶた祭り、仙台の七夕祭り、長野県松本市の七夕人形など、今でも8月に入って七夕祭りが行われている地域もあるのは、旧暦に近づけておられるのではないでしょうか。
七夕かざり
笹の葉につける飾り。どんなものを付けますか?
色紙を半分に折って、さらに半分に折り、横が縦の1/4になったら、互い違いに切れ込みを入れます。そうすると、網が出来上がります。
色紙を三角形になるように半分に折って、さらに半分に折って、1/4の大きさの三角形になったら、折ったところを右側にして左右から切れ込みを入れていきます。上の方は短く、下の方は長く。元の大きさに広げると、ビクができていませんか?
紙衣(かみご)と言われる紙の人形や着物の形をしたもの。裁縫が上手になるように、着るものに困らないようにとの願いが感じられますね。
巾着、あるいはお財布。紙で折ったものでも、紙でなくても良いので、金運上昇の期待を込めて。
短冊。願いを書き込んで。
吹き流し。短冊と同じく陰陽五行節より、緑・紅・黄・白・黒の五色で飾られているようですね。
七夕と天の川についてのまとめ
2021年7月7日は水曜日です。
天の川は夏の大三角と言われている星、ベガとアルタイルの間を通って空を横切っています。
目でみることができなくても想像することはできますね!
都会から離れて標高の高い所に行った日に、晴れて月明かりがなければ、是非一度空を見上げて下さいね!
七夕は、裁縫上手になることを祈る日でもあります。そのことから、願いを表す日となったのでしょう。
短冊に願いを込めて。
尚、このブログのアイキャッチ画像は写真ACのものを使っています。

