好きな果物を聞かれて、最初にいちごを思い浮かべる方は多いですね。
実は、いちごは多年草の植物であるために、野菜に分類されることもあります。
独特の形に加え、最近とみに甘い品種が多く登場していることもあって、食物としてもアイテムとしても人気は高いですね。
いちごの消費量が一番多い月は12月だそうですが、家庭菜園で育てるならば、1年に1回、5~6月に収穫できるものが育てやすいように思います。そのいちごの育て方をお話していきますね。
家庭菜園でのいちごの育て方
まず、いちごの一年を確かめてみましょう。
いちごを収穫するのは5~6月、花が咲くのは3~5月、苗の植え付けは10月~11月。
植え付け
多年草のため苗を購入することになりますが、茎の根元のしっかりしたものを選ぶのがお勧めです。
茎の根元はクラウンと呼ばれています。王冠を逆さまにしたような形だからですかね。
土は水はけの良いところ。そしてゆっくり効くタイプの肥料が必要。植える時には、クラウンに土を被せないように、苗をそのまま植える感じで植えてください。
いちごは地下茎ではなく地上茎で増えていくのですが、この地上茎をランナーと言い、ランナーと反対側に花が咲きます。花が咲いたところに実がなるので、実が取りやすいようにランナーが向こう側になるように配置。
苗はランナーが切られて売られていることもありますが、よく見て植える方向を決めてくださいね。
クラウンが傾いていたら、高い方にランナーが伸びるのでそれも目安になります。
いちごは甘くて美味しいと感じるのは、アリも一緒でいちごが土に付くとアリに食べられてしまいます。花が咲くころには、何かで土を覆うことができるようなところがいいですね。
そんなこともあって、いちご栽培に特化したストロベリーポットも売られています。いちごが宙に浮いた状態にしておけば、さすがのアリさんたちもやってこれないですよね。
そうそう、いちご狩りに行くと地面より高い所にいちごがあるでしょう? 土につかないように工夫されています。
地面に植えずに、ポットやプランターで育てると動かすことができるので、雪対策や雨対策にもなりますね。
冬の育て方
気温が10℃以下になると成長が止まった感じがしますが、他の植物と同じく、根をそだてているところなので、冬でも土が乾いたら水やりをしてくださいね。水と一緒に液体肥料を月1回か2回与えてあげると良いようですよ。
雪が当たるとさすがに枯れてしまうかもしれないので、ビニールトンネルで覆いを作ったり、ワラのようなものや枯れた雑草とかで地面を覆っておくと安心ですね。
苗に寒さを経験させることは花を咲かせたり、大きな実を付けるためには必要で、ずっと温かいところに置いておくのは避けてください。
3月ころになると、葉が増え始め毎日成長していることが実感できるようになります。
黄色く変色した葉は、取り除いてしっかり成長できるように手助けしていきましょう。肥料が切れないように、液肥を週1回水と一緒に与えてあげてください。
花が咲きます
花が咲いたら実になるように受粉させてあげましょう。柔らかい筆の先で円を描くようにして雄しべの花粉を雌しべに付けます。
同じところから出た花につく実は、だんだん小さくなるので、私は、はじめの2,3個だけ受粉した後、摘花というか花を取っています。
さてここで、花が咲かなかったり実が付かなかったした時、一番疑わしいのは、肥料が多すぎたことなんです。肥料が切れると良い実が付かないし、多すぎると花が咲かないということになってしまいます。ここが難しいところ。
葉も茂ってきます。色の変わった葉は早めに摘んであげましょう。多すぎる葉も風通しを良くするために摘みます。葉の根元から摘んでくださいね。
ランナーも伸びてきます
葉の成長が著しいときには、葉を付けないランナーも伸びてきます。
ランナーが伸びて土に付くと根ができて次の株を作ります。子株ができてしまうわけです。
子株に植えた株の栄養が取られてしまい、実にいくべき栄養が少なくなってしまいます。なので、花が咲いたり実がついたりしている間は、ランナーは切り取ること。
実がつかなくなってから、ゆっくりランナーを伸ばして、子株、孫株と育てていきましょう。3代目4代目あたりを次の年の苗にすると元気な良い苗になるようですよ。
株を切り分けて苗にする時には、ランナーを2cmくらい残しておくことをお勧めします。
家庭菜園でいちごを失敗しないで育てるコツ
土は、いちご専用の土が売っているので最初はこれを使って失敗を防ぎましょう。自分でつくりたい時は、少し酸性の土にしておいてくださいね。
水やりは、土の表面が乾かないようにすることが大切です。加えてクラウンに土が跳ね返らないようにすることも大切で、私は小雨がシトシト降るくらいの感じで根元を避け葉の周りに水をかけるようにしています。
葉の管理としては、成長が始まる3月くらいに冬を越した葉を4枚くらい残して切り取る。4月5月には葉が茂りすぎないように切り取る。6月までは伸びたライナーは切り取る。切り取ってばかりですね。
いちごの実は、土に直接付かないように。ワラやマルチカバーで対策することをお勧めします。病気や害虫から守ってあげることにもなりますよ。
病気は、よくわからないことが多いですが、実が白っぽい「うどん粉病」とか雨が多いとかかりやすい「灰色かび病」とかにかかることがあります。解決には、農薬を使うことになります。
害虫としては、アブラムシ。天敵はテントウムシ。風に乗ってやってくるので、防虫ネットも良いですが、太陽光を反射するシルバーシート(銀色のシート)とかシルバーテープもやってこないために効果があるようですね。
実がなる頃には、鳥も実を狙っています。鳥の侵入を防ぐことで実を守り、鳥の糞による影響を避けるためには、防鳥ネットが効果的です。
まとめ
採れたてのいちごを頬張ると育てる苦労も飛んでいくほど美味しいです。是非堪能してもらいたい!
- 水はけの良い土に
- 根元のしっかりした苗を見つけて植えて
- 土の表面が乾かないように水やりをして
- 葉を摘み取りながら
- 花が咲いたら受粉して
- 実が大きくなるように 小さな花を摘み取って
- 花が咲かなくなったら、次の年のための苗を作って
苗を購入するのは最初だけで、次の年からは自前の苗で育てたいちごを収穫することができます。
また、いろいろな品種の苗が売られているので、いろいろな種類のいちごを育ててみるのも楽しいですよ。
今回は、1年に1回5~6月に実を付けるいちごの育て方をお話しました。四季なりといって1年に何度も実を付ける品種もあります。その話はまたの機会に。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。