家庭菜園で野菜を育ててみようかな、と思っても何を揃えればいいのかわからない という方が多いのではないでしょうか?
ベランダのプランターで育てるとすれば、プランター、野菜を育てる土、種もしくは苗、があれば植えることはできますね。
庭の土で育てるならば、苗か種を植える。そして、太陽の光と水があれば、育ち収穫を迎えることができます。
もっと大きく育てたい、もっと大量に収穫したい、ということになると、必要なものは肥料!
そこで、肥料について、その基本的なところから、用語の説明をしていきたいと思います。
これを読めば、どんな肥料を、いつ用意すればいいかわかり、より多く大きいものを収穫できるようになります!
肥料とは?
植物は、太陽の光から光合成で作るエナルギーを元に成長していくのですが、それだけではなく、不足している成分を土の中から取り込んでいます。
植物は、根から水分だけでなく、成長に必要な成分も吸収しているんですね。
そうすると、土の中から、植物の成長に必要な成分がだんだん少なくなってくると思いませんか?
そこで、少なくなった成分を補給する、あるいは予め入れておいてあげる必要があることがわかります。
それを肥料といいます。
予め入れておく肥料を元肥(もとごえ)或いは基肥、植物の生育の途中で与える肥料を追肥(ついひ)と言います。
肥料の三要素
植物が成長する過程で、特に不足する成分が、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)です。これを肥料の三要素といい、入っている成分の割合が書かれていることも多いですね。
- 窒素は、葉肥(はごえ)とも言われていて、葉や茎が成長するために特に必要。
- リン酸は、実肥(みごえ)とも言われ、実や花を多くつけるために必要。
- カリウムは、根肥(ねごえ)とも言われ、根の成長のために必要。
それぞれの作物で必要な微量成分もあります。鉄、マンガン、ホウ素、モリブデン、亜鉛、銅、塩素がそれにあたりますが、大抵は土壌中に含まれているもので足りるようです。
但し、何年も同じ所に同じものを植えて育てていると(これを連作といいます)、不足する成分が出てこないとも限りません。
連作による障害の多くは、病害虫によるものですが、土壌中の成分が偏ることによっても起きることがあるとされています。
有機肥料
有機肥料とは、生物由来のものを原料としている肥料。
堆肥とは、有機物が微生物により完全に分解されたものを指します。
牛糞は、ウシの糞および尿に麦わらやオガクズなどを混ぜて発酵させたものです。充分に発酵、熟成したものは黒色の堆肥となります。
鶏糞は、ニワトリの糞から作られた堆肥。高温で処理してペレット状になっているものも市販されており、扱いやすいです。
油カス、米ぬか、生ゴミなども堆肥にすることができます。
自宅でつくることもできますよ。いくつかのものを混ぜて効果を穏やかにしたボカシ肥料といったものもあります。
腐葉土とは、落ち葉で作られた堆肥です。稲わら、樹皮、オガクズ、籾殻などの植物由来の堆肥もありますが、肥料としては栄養成分が控えめです。
化成肥料
化学的操作で製造した肥料で、窒素、リン酸、カリのうち2種類以上、15%以上の量を含むようにしたもの。
例えば、[8-8-8]と記載されていれば、窒素、リン酸、カリがそれぞれ8%入っているということです。
育てるものによって、必要な成分が変わってきます。例えば、大根、人参といった根物野菜だと、カリが多く必要。葉物野菜だと、窒素を多く必要とします。
必要に応じて成分の比率を変更したり、2種類のものにしたりしています。
肥料をいつ与えるか?
肥料は、予め入れておく元肥(基肥とも言う)と、生育の途中で与える追肥の他、芽を出させるための芽出し肥、実をつけた後に使うお礼肥、次の春からの成長を願っての寒肥など植物の生育過程によって使われています。
野菜に限ると、元肥と追肥は与えることをオススメします。
元肥
種や苗を植える1ヶ月前には土作りを始めます。
市販の野菜用の土で肥料の入ったものを使われるのであれば、すぐに植え付けることもできますが。
庭の土で植えるのであれば、土を20~30cmの深さに掘り起こします。そこに、入れていくのが元肥です。
元肥には、ゆっくり、長く効果のある肥料が求められます。
有機肥料である腐葉土と牛糞、そして化成肥料では、塊になっていてゆっくり溶け出すタイプのものを使います。
掘り起こしたところの土が見えない位まで腐葉土を入れ、その上に腐葉土が見えなくなる位まで牛糞を入れます。どちらも掘り起こした土の3割位が目安になります。その上に化成肥料をパラパラと置いていきます。
土を入れ戻して、良く耕し、2週間位おいて土になじませてから、種か苗を植えてください。
もしも土の酸度を調整する必要があるならば、苦土石灰を撒いたりします。粒状のものだと、肥料と同時に入れることもでき、ゆっくり酸度をアルカリにしてくれます。
追肥
植え付けた後、生育途中に与える肥料です。
実がつく前とか、大きくなる前とかに使うと効果的なものが多く市販されています。
化成肥料になりますが、早く効くタイプのものが良いので、2週間くらいで溶け出すような塊が小さいもの、もしくは液体のものを使います。
液体のものは、早く効果が現れますが、すぐに効果がなくなります。何度も与えていると、肥料過剰になったりすることもあるので、ラベルに書いてある間隔と濃度は守りましょう。
肥料が過剰でも、美味しい野菜は採れないんですね。
まとめ
美味しい野菜を作るためには、土から充分な水分と栄養を採れるようにしておく必要があります。
- 土を充分に耕し、そこに腐葉土を入れて土がフカフカになるのを助け、肥料の三要素である窒素、リン酸、カリを含んだ元肥を入れておく。
- 2週間位たって、土と肥料がなじんだ頃、種もしくは苗を植える。
- 生育状況によって、追肥を与えていく。市販の化成肥料を使う時には、ラベルに書いてある濃度や量を守る。
是非、野菜を育てて召し上がってください!